おしらせ

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2018年9月

かみもほとけもないような白い夏でした。
サウナでモナカの皮だけ食べているような、煮干しをレンジでチンしているような、そうでなければ潜水艦のなかで風呂の水が溢れたり溺れている人間にロープじゃなくて水風船を投げつけるような夏でした。
みなさまにおかれましてはの長月9月。

以下、お知らせをいくつか。

●『横山拓也展』
岐阜は多治見の陶芸家で長年の酒友でもある横山拓也さんの、九州では初の展示会です。おたのしみに。

9月27(木)~10月17(水)。
12:00~21:00
臨時休業 29(土)・30(日)。
※27(木)・28(金)は作家在廊です。

●『花の会・9月』
9月29(土)・30(日)。
いいかげんに秋になっているでしょう。
お待ちしています。

●『婦人画報・11月号』
炎天下と暴風雨の花の撮影でした。
立ち読み、もしくは美容室で座り読み、またはお買い求め下さい。

●『花のうつわ展』
10月20(土)~11月1(木)。
岡山県倉敷市の「倉敷意匠・アチブランチ」にて、古代から中世にかけての焼きもの展示販売会。
初日2日間に花をいけます。花のライブもします。

倉敷意匠・アチブランチ  [詳細]

そんなこんなで、あちらこちらでお会いできたら嬉しいです。

 

不在拝

 

※今月の「当季の花」は、展示会DM用に撮影したものです。

 

 

2018年8月

夏花灼々。
風呂場の水があふれていたことに右往左往しているうちに台所の蒸籠が空焚きになっていて、冷蔵庫が開けっ放しなのに気づいたときには野菜も肉魚もしんなりと汗をながして泣いているみたいな、この2ヶ月あまりは眺める景色のすべてが雨のしぶきと白暑で薄く煙って見えていて、アスファルトに照り返された街路樹は春のお花見あとの植え込みに突きさされた割り箸みたいに白く乾いて直立したすがたで死にかけている。
山は山で、たかく枝をはる樹木は飲み物を絶たれたうえに脚を負傷した巡礼者みたいにうごくこともままならず乾いた喉に咳もせずに足下には干からびたミミズをならべるばかりの砂埃の道。
それでもズボンの裾をからげて、砂埃で糖衣されたビーサンで山道を歩くと、いったいどこから水分を得ているのやら下草はみな露をおびて深く呼吸をしており、指先にふれる茎は弾力にみちていて、冬に結実するはずのものたちは白い花をひらかせてその時のその時を待っている。
そりゃあ自然の摂理ですからと、さすがに偉いものだとは思わなくとも、たったこれだけのあれだけでと乾いた地面を眺めると、ぞっとするような凄みを、かりかりパサパサの足下からひしひしと感じる、ニンゲンナンテーラララァっであった7月のお仕舞いは8月の始まり。
ということは、今年も残すところ…

以下、お知らせ。

●『平澤崇義展』
拙店初めての陶芸の展示会です。
よいのです。引き続きお楽しみあれかし。
~11(土)迄。

夏安吾不在センセー拝。

2018年7月

自然の大音響は、それがはげしすぎるとむしろ無音に感じられることがしばしばであって、雨のおと風のおと雷のおと蝉のおとのにぎわいで梅雨の6月はおわっていたようで、コンサートホールでうたた寝をしていたみたいに今年の半分目が静かにしずかに夢うつつのうちに始まっていたことも茅の輪をくぐることもわすれていて、おおきな川を渡すひとけのない長い橋の途中で昔の知り人とすれ違ったような間違いだったようなと考えながら、そもそもそれが誰であったかも思いだせないようなどうでもよいような宙ぶらりんな気分のまま、それでも渡りはじめた橋は渡りきらないでは仕方ないような何とはない気分をぶら下げて、ふりかえるのも気ぶっせいなままに川の流れを横目にそればかりをながめてあゆみをすすめる7月のはじまり。
店屋物の注文と台風は来るときがわからないのが困りもの。

遅ればせながら、以下お知らせ2つ。

●『平澤崇義展』
7月23(月)~8月11(土)。
臨時休業:28(土)。
作家在廊:23(月)・24(火)。

はじめての焼きもの展なりです。

●『花の会・7月』
7月28(土)・29(日)。
8月は例年通りお休みします。蚊遣りを焚いてお待ちしています。
不在庵拝。

2018年6月

雨のやみ間に歩く森の緑陰は底がみえないくらいに濃くておもたい、重錘をおとす音も吸い込んでしまう静かな沼のなかをゆくようで、うっそりと暗い山道に梢からさす木もれ日が白くつつましく咲く梅雨どきの花弁のよう。クチナシドクダミフェルメール。
昨夜のうちに、そこかしこに穴を掘って食事をすませたらしい猪はかすかに体臭をのこして山ふかくへ帰ったあとで、朝まだはやい山道には雑木の微小な花にむらがる蜜蜂の羽音や鳥たちの叫び声にも似たさえずりだとか、渋団扇をはたはたともの憂げにたたくように首を上下させて落ち葉のなかを漁りながらエサをさがしあるく穴熊のすがた。
缶のビールを飲みおわるころになるとようやく薮蚊に見つかりはじめ日射しもつよくなってきて、ビーチサンダルであるく山道の下り道。
街は街で、今年は枇杷の実があたり年であるらしいのもどうやら全国的であるらしい噂。カラスや子どもらは嬉しかろと大人は自転車でその下を行きすぎるだけの粗忽ものはいつからのことやら とか。

以下 お知らせ2つ。

●『出口の入り口』
かとうゆめこ展
~6月23(土)。
※20(水)は臨時休業。
●『花の会・6月』
6月30(土)・7月1(日)。
蚊取り線香を焚いてお待ちしています。

 

追記

お気づきのかたも多かろうと思いますが、今月から『花の会』の撮影をプロの写真家にお願いすることになりました。さすがプロ。
『当季の花』は引き続きさかむらが撮影します。
その差に呆れるばかり…

 

不在拝。

 

 

2018年5月

みがいた清酒のようなはつ夏は めはなみみくちにかしましく、ひかりかがやく新緑も散り敷く竹落ち葉の枯色も、手のひらについたまま何とはなしに洗い流してしまうのが惜しいような山椒の実やドクダミのにおいも、老鶯の一鳴や蜂の羽音も、肺をみたす山の気やら焼いただけのタマネギのあまさやら。

以下 お知らせふたつ。

●『出口の入り口・かとうゆめこ展』
5月24(木)~6月23(土)
11時半~21時
※作家在廊日 5月24(木)・25(金)
※会期中の営業日詳細はお問い合わせ下さい。

●『花の会・5月』
5月26(土)・27(日)。
不在拝。

2018年4月

犬があちらを向いてくしゃみして4月。
けたたましいウグイスの声やら地面をおおうほどの落ち椿やら孕んだ野良猫の水平な視線を眺めながら、誰にもみつかる心配のない山道の路地裏のつきあたりで他人さまに見られる気遣いなく藪蚊も気にせず、それほどおいしくない鯖寿司とあんまりおいしくないカップ酒で眺める桜はやっぱりよいものであって、つまりはそれだけとっても日々人間生活をすごすちいさな個人にとっては春はよいものではあるものの、はらはらと散ってゆく花はなにかしら残酷な味わいのものをのこしながらこころの内側の柔らかい部分をはがしてゆくような気持ちにさせるものでもあって、ああ春はいやだ、と想うのも毎年のまいどのことなのだけれど慣れることのできないそうした気分はカップ酒が缶ビールに替わる季節にはきっとすっかりトイレに流れていることも毎年のことでわかってはいることだから、これはこれでつまりはいつもの春なのだろうと二本目のカップ酒を開けるのも、やはり惜春のたのしみかもしれない。

今日のみの 春を歩いてしまいけり とか。
以下、お知らせ。

●『平田王子・ライブ』
ギターとボーカルのライブ。
店での音楽イベントは初めてです。
仕事をはやくに終わらせてご来店下さいまし。
・日 程  4月25日 (水)
・開 演  19時00分
・入場料  2,300円+ワンオーダー
・予約・問い合わせ : 090-9397-6501  (さかむら)

●『花の会・4月』
4月28(土)・4月29(日)

●『出口の入り口・かとうゆめこ展』
天才ゆめちゃんの三度目の絵画展です。

5月24(木)~6月23(土)
※作家在廊日
5月24(木)・25(金)※会期中の休業日等、詳細は御連絡下さい。
不在拝。

 

 

2018年3月

朝がきて雨が降っていて、それがいかにも冬であった数日前までみたいに空からおちてくる針の一本一本のように思えて肩をすくめるていた具合のものではなくなっていて、ひと粒ずつのしずかな雫が落ちてきているふうにかんじられるようになったので自然と濡れたままの顔も木々のあちこちをふり仰ぐかたちになり、おのずと視線もあちらの枝むこうの梢と小鳥たちのように跳ねまわってはとまりして、ようやく冬もおしまいかと腹のそこのしこりがやわらいでゆくような気分になるので、すこし機嫌よくそんな雨でもあびながら梅の枝のまだまだかたい蕾やひらきすぎた藪椿やらを眺めながめ終えて歩きだすと、そうなってそこでようやく足下の地面が最近までとちがってやわらかく盛りあがっていることに気がついて視線をこんどは下にうつすと、いうまでもなくそこはまさしく春であって、春はネコよりもしずかに足元に近づいてきては通りすぎてゆくものだったということをおもいだすのも、いつもの春のはじまり。

蕗の根のうすもも色や土の春

とか。以下 お知らせを。

●『アブラエカタブラエ』 nakaban個展
3月1(木)~31(土)。11時30~21時

今回は油絵を中心にあれこれ展示します。額装あり立体ありなんなり。
※会期中臨時休業あり。お問い合わせ下さい。
※作家在廊日27(火)。
●『花の会・3月』
3月31(土)・4月1(日)。
雨もまたよし。お待ちしています。

春には春になりますように。

不在拝。

 

2018年2月

あけたはよいものの冷凍庫のそれだったかしらというような新年の扉は開いたまんまで、つくばいの水は厚く凍りつき冬いちごの実はしゃりしゃりと甘酸っぱく椿の花弁が茶色く霜にとけて茶庭の苔が天空の島みたいに霜柱で浮き上がる睦月1月のおわり、おもたくてぶあつくて冷たい地下室の石の扉みたいな冬のおわりは、それでも春の予感はあるようで葉をおとしつくしたあとのにきびみたいにこまごました雪柳の新芽やら魔女の爪みたいな紫陽花の新芽とかが音をたてない影絵のように足元から近づいてくる気配だけをしらせる春のはじまりのはじまりは猫の恋。

たとえば植物の一生が次代に自身の分身をのこしてゆくことだとしたら花を咲かせたのちの結実というのが生の最終目標のすがたであって、しかし栗やら銀杏みたいに胃袋におさまる以外の植物が結実して地面に種をおとす間際の風姿というのをひとはあまり気にもとめない。
なんて考えてみるのも正月明けの痛風の病床六尺。

遅ればせながら本年もよろしくお願いいたします。

お知らせふたつ。

●『花の会・2月』
2月24(土)・25(日)。あたたかく あたたかくして来場下さい。
●『ナカバンのアブラ絵カタブラ絵展』
3月1日~末日迄。

 

 

2018年1月

時間のながれなんかは片側通行でこの雑文を親指でうっている現在は歳末の営業最終日の大掃除あとのひまつぶしで、いまこの時点では焼酎で焼きとりでもつまみながら今夜はぼんやり時間をつぶしたいなとかかんがえてうつらうつらしているのだけれども数日したらきっと年はあけてあらたまっていて、さてそのときに今とおなじように焼酎で焼きとりでもつまみながらぼんやりとはかんがえていないだろうという確信にちかい馴れた気分があり、それならばこの数日後にあきらかにあらわれるであるはずの気分のかわりめと云うか焼酎と清酒の分水嶺なんかはやっぱり人びとだけのものであって山の池のカモであるとか竹林の奥にひそんでいるイノシシなんかは今朝も今夜も来週の朝晩もかわりなく今朝と今夜とおなじようなものをきっとたべていて、そういう一方向な暮らしぶりを気の毒なようなうらやましいようなとかんがえつつも鴨鍋や牡丹鍋をつつきながらコシカタユクスエにおもいをはせて晦日には焼酎にするか元旦には清酒ですごすかなんてのをかんがえて時間をつぶすとかは悩ましいような申し訳ないようなありがたいようなこころもちになって、人びとのひとりである身
のありがたさついでに暮れ方の早々にのみはじめる頂戴ものの缶ビールはやっぱりおいしい。

以下 来春のお知らせふたつ。
●『花の会・1月』
27(土)・28(日)。
なりふり構わず暖かくしてお出かけ下さい。
●『ナカバンのアブラ絵カタブラ絵展』
3月1日~末日迄。

今回は油絵を中心にした展示会です。会期中、市内にて関連企画の予定もあります。詳細はまた。

あけましておめでとうございます。
本年もたくさんのみなさまにお会いできますように。

坂村不在庵拝

 


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