2024年11月
骸骨が街からいなくなった翌朝はどんよりとしたくもり空で、ぐうたらと布団からからだをおこせないでうつらうつらしていると、曇天のせいだろうか、いつもは耳には聴こえてはこない、遠くをはしる路面電車が線路を軋らせて行き過ぎる音や、小学校へいそぐ子ともだちの笑い声が手のひらにのせてもおもさを感じないくらいの質量で枕元まで今朝はとどいてきたり、閉めきった窓ごしに記憶の向こうからなにかを届けにきたような金木犀のにおいがしずかに入りこんでこんできて、それでまた眠りそうになるしじまに、こういうのを音楽で聴いたらサティのあれかしらとか寝酒のつもりのまま朝酒になったのを舐めながらようよう離れる寝床の毛布いちまいうすくたなびきたる。
以下、お知らせ。
「花の会・11月」
24日(土)、25(日)。
あれよと今年のお茶室での花会も今年はここまで。
つるべ落としの暮れ方よりも、できたらお早めにご来場ください。
「花のライブ・熊本」
日時・12月7日(土)
14時〜17時 (13時会場)
会場・早川倉庫
会費・4,000円
ご予約、お問い合わせは、090 9397 6501 まで。
てなわけで、あちらもあそこもも頑張りまあす。たくさんの方にお会いできますように。
坂村拝
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2024年10月
長月朔日。
とはいえまだ日射しのつよい、けれども涼やかな風の感じられる朝の時間にひさしぶりに山にはいる。
汗ばむ顔にむらがる羽虫はすっかりかずを減らしており、いつもの路をしばらくぶりにあるくと二匹のハンミョウが山のなかほどへと向かう路をふり返りふりかえりたがい違いにこちらをいざなうように低くとびながら、そうしていつかしらすがたを消していて、取り残されたあたり一面うす暗闇みの木立ちのみちの空気はしずかにとまっているけれど小鳥たちはまだ木漏れ日のような囀りをはじめてはいない。
おもいだせないくらい久しく雨のふらないでいる山のみちは歩くたびにサンダルばきの足元を渇いた砂だらけにしてサラサラとペルシアの沙漠をあゆむようにおもわれるのだけれど、いつしか山を上りきり木漏れ日のさしはじめたくだり坂へさしかかる先にあらわれる杣道がふいに色彩にあふれていて目をうたがう。
やまの小鳥たちがようよう囀りはじめた、枯れはてたような砂埃の足もとのさきに、それは朝の陽をあびた葛の花の散り敷く光景であって、それはせせらぎのない川面のようであり、流れることのないひかりのたまりのように眺められるのだから、そこを踏みしだいてわたるのには砂だらけの足の裏に汗をかく。
山からおりて街の筋の八百屋の店さきにはいもくりなんきんの秋景色。
以下、お知らせ。
「花の会・10月」
26日(土)、27日(日)。
ぼちぼち夕暮れがはやまる時季。はやい時間にお誘い合わせのうえ、もちろんお一人さまもお待ちしてます。
「花のライブ・熊本」
日時 12月7日(土) 14:00〜17:00 (予定)
会場 早川倉庫
あれよと年末のお知らせ。
昨年に続き、今年も早川倉庫でライブです。毎年同じようでも、ちょいとやり方を工夫しながら出来るよう考え中です。
詳細は決まり次第、拙HPまたはインスタグラムにてお知らせいたします。
皆さまにおかれましては、まずは12月7日の午後のスケジュールだけ空けておいて頂けると嬉しいです。
坂村拝。
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2024年9月
あれもかれてこれもひあがってみはるかすすべてがしろくかわいてばかりのふうけいのなかでしばしたちどまってこかげのいってんをながめてみるとそこにはくもがちゅういぶかいちみつさですをはっておりむしにくわれたはがあさのひかりをすかしておりすこしのかぜでさるすべりのはながぱたぱたとおちてきてそんなものにきをとられているうちにてあしにはやぶかがたかりはじめやれやれあつくてしにそうとしにそうにはないげんきなこえでさわいでいるのはどこもかしこもにんげんさまだけらしくてまあそれでもあさがたにふくかぜやむしのこえにはにわかにしゅうしょくこくひさしぶりにはなばさみをてにそこここをあるくとつゆくさのいろはいよいよふかさをましているしくさかりをおえたりょくいんにはきゅうこんをあらわにしたひがんばながすいとたちあがりはじめているのなんかをみつけるとめをあらわれるというよりたじたじとなり風たちぬいまは秋。
以下お知らせ。
「花の会・九月」
28日(土)、29日(日)
ひと月休むとなんとなくひさしぶり。お待ちしてます。
坂村拝
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2024年8月
ぱなつのさかりはあきのはじまり
八月はお花のせんせー稼業はおやすみで、花鋏の手入れをして夏安吾でござる。
つきましては、今月の「花の会」と「花の教室」はお休みです。
お店はたぶん通常営業です。
みなさまにおかれましてはよい夏をお過ごしください。
さかむら
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2024年7月
ぱっちんぱっちんてあしのつめをきりそろえてシャワーをあびてズボンのすそをからげてあめのやみまをみはからいながらサンダルばきでことしもいつものようにいつもどうりにことしもおやしろのおおとりいをくぐったさきのちのわをぐるりぐるりとくぐりぬけてぱらりぱらりとおさいせんをなげてにれいにはくしゅなれどしんぶつは敬してたよらずとおもいきめているのでなにもねがわずいちれいしてそそくさとごしんいきからたいさんしてみそぎをすませたはれやかさでコンビニでかんのビールをかってかんをあけるはれやかなきんぞくおんでまたぞろはれやかになってのむビールははれやかなあじがするのでようようことしもぶじではんぶんをすごしたことをしんぶつにかんしゃしながらのむビールははれやかなうえにげんしゅくなきぶんになれるのでそんなこんなをこうじつにひるまにはれやかにいただくビールはかんでもおいしいのだからおやしろのさんどうにだれか生ビールスタンドでもだせばよいのにともおもいしかどこういうときには缶のビールをのみながらあめのやみまにたかくひくくひらりひらりとまいとぶツバメをながめてかわべりをひとりそぞろあるくのものやはりはれやかなものだからだれかが生ビールスタンドをだしたところであたしはごえんりょいたします。
以下、お知らせ。
「花の会・七月」
7月27日(土)、28日(日)です。
お待ちしています。
坂村拝
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2024年6月
まいどまいどいちいちかくことなんかべつにないのになとめんどうにおもいながらにわのくさむしりをしてみたりひさしぶりのおてんきつづきにこぐらいやまのみちをあるいてみたりのみやでらっきょをかじっておさけをいただいてみたりやおやのみせさきのあおうめやびわのみをながめていたりしているうちにいつのまにやらくちなしのはなはいろあせてのらのねこたちのけがはえかわりはじめてさかなやのいかはおいしそうにながめられているのだからさてさてそろそろおさけもさかずきもちょいとひやしておいてふろばのそうじもばんたんすませておいてとなるといよいよ梅雨のはじまりはじまりごようじんごようじん。
以下、お知らせ。
「花の会・六月」
6月29日(土)、30日(日)。
晴れたら晴れたで雨なら雨で尚よし。
お待ちしています。
坂村拝
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2024年5月
たけのあきくすのきのらくようそこにちりしくきりのはな、みはるかすまんめんのしんりょくとおなじかずのらっからくようにやまみちはふかくやわらかくうずもれてたぬきのけがはえかわってまちのろじうらのどこかでことしもまたのらのねこのこがうまれてないていていっぱいのみやでかつをのたたきをたべてきびなごのすのものをつまんでよってあるいてあせばんであたたかなしきふをせんたくしてひさしぶりにおふろのゆをたててきゅうじつつづきのしずかなじゅうたくがいのどこかでなぜだかふくろうがないているからきになってねむれないうちにねむっておきてへやにさしこむあさのひかりはあきらかにはつなつのひかりはつなつのかぜになりたやはつなつのいかがそろそろおいしいきせつ。
以下、お知らせ。
「花の会・五月」
5月25日(土)、26日(日)。
よい季節。お茶室の藪蚊対策をしてお待ちしています。ご安心を。
坂村拝
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2024年4月
あさめざめておこめがたきあがるまでのじかんにぼんやりとさゆをにはいさんばいとのんでいるうちにからすがめざめてかあかあかあほあほあほあとなきはじめみそしるのじゅんびができるころにはすずめたちがちりちりちりとさえずりはじめてよるがあさになってあかるくなりはじめるなかにさくらがちらりちらりとちるのがみえてさんしょのはがみどりをきのうよりこくしているのにきづいてぐるりのどくだみがあいたじめんをうめはじめているのをながめてちょ
っとうんざりしてみたりして春はあけぼのようようきいろくなりゆくやまぎますこしあかりてこうさにけぶるくものけだるくおもくたれこめたる。
そもそも春なんてものはいみなくものがなしかったりやっかいなあんけんがもちあがったりねむくてたまらなかったりでこころおだやかにえんがわにねそべってさくらのはなびらをかぞえたりするにはあちこちこころおだやかざることがおおすぎてそれでもはながさきはじめるといてもたってもいられなくてそわそわしててもとのさけをこぼしてみたりやっかいきわまりないのもそもそも春のせいというかこちらのせいであって春には春の冬と夏とのぬきさしならないおつきあいがおありでしょうからしかたがないから桜のちるのでもながめながら酒でもいただくことにする。
以下、お知らせ。
「花の会・四月」
4月27(土)、28(日)。
よい季節。お待ちしてます
さかむら
あれやこれやをしたりしなかったりしているうちに冷凍庫からつくりおいた餅がなくなりにわのもくれんがあれよとひらいてひよどりについばまれてちゃいろくなりことしのふきのとうはれいねんよりすこしちいさくてあめがたくさんふってかれていたいけのみずがもどってかもやさぎももどってきてにわさきにはどくだみがめぶきはじめてのらのねこがしずかになりはじめてほたるいかばかりたべていたくなってでもほたるいかはみそではなくてわさびとしょうゆでいただきたいので酢味噌あえとおしながきにはあるのはとおりそうばであっていちいちみせのかたがたにそのむねおつたえするのもめんどうではあるがこちらはほたるいかはわさびとしょうゆでいただきたいのだからここはひごろのこころがけのくどくであっていちいちめんどうくさいきゃくでどこでもとおっているのだからやっぱりこれからもほたるいかあるかぎりはほたるいかはわさびじょうゆでちゅうもんをおねがいします。
二月十四日、竹林ニテ鶯ノ初鳴キヲ聞ク。
以下、お知らせ。
「花の会・3月」
30日(土)、31日(日)
春には春になりますように。
不在庵拝。
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2024年2月
おにはそとおにはそとふくはうちふくはうちぱらっぱらっぱらっとまめうってなんていうことはなんですなおにはそもそもじぶんのうちにあるものであっておいださなきゃならないやっかいなものであってふくはじぶんのなかにはそもそもないものだからわざわざそとからおよびだてしないといけないものだからそうかんがえたらなかなかりかいもゆきとどくようでそれだからそのぶんやっかいなようなきぶっせいなかんじになっておよびだてしていないのにやってくるせいきゅうしょやらとくそくじょうやらしんこくしょだとかはあれはどうかんかんがえてもこのよのおにであるのだからおいかえしたいのにいかんともしがたいのでこまったものでせめてぱらっぱらっぱらっのこのじせつくらいはこっそりごえんりょいただくことはできないだろうかとかなんとかぼやいていても、春ですな。
以下、お知らせ
「花の会・二月」
2月24日(土)、25日(日)
暖かくしてお出かけください。
坂村拝
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2024年1月
にげるうさぎのおっぽをおいかけてつかまらないままにちげつはすぎてあれよとひはくれとしはくれてにげるうさぎおいしあのやまにからすはかえりしてよるはしずかとおりしずか。
いつのまにやらねいってしまいねざけがそのままあさざけになっていてもいつもどおりとはいかせないのがこれが元旦のなせるわざおもちをやいてのりやいてあさぶろなんかあびちゃうとえんめいちょうじゅはれのおとそにはやがわり。
以下、お知らせ
「ナカバン作品展」 Gento〜とでも寒い冬のまぼろしの灯〜
1月21日まで
画家ナカバンの油絵の作品展です。
1月6日(土)に作家が在廊します。おたのしみに。
「花の会・1月」
1月27(土)・28(日)。
としのはじめのためしとて、あたたかくしてご来場ください。
今年もよろしくおねがいいたします。
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